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凡宵思案

それから 明日の話 幕は下ろし
夜具の中夢を見ては

ただ まだ ああだ こうだ       ねえ 君もお越し 枕は無し
黙(もだ) 々 思うだけ?        迂愚(うぐ)はまだ過去を見てる

いまさら 僕の話? 書き屋降ろし  諾 々 と 集(すだ)く
ラグも過多がたも来てさ        濁 々 噛み砕き

程 々 に 解く             それなら 背伸びをおし 急くのは無し
夢は余程に揺らいだか?       漁具はまた空を釣らばこそ


めいめい共倒れ!
ああ さがなき稚(いとけな)い凝(こご)


ああ クオリア・ウォーリアー!     賢し子と 君のことを愛した
逆さまの様々(ようよう)          僕らと彼らの臍の緒を
モノクロマリーのラボの周りで

繋ぐ手と 眩む目の向こう側      さあ 「フーディエの夢は
ラプラスは笑んで言葉を編んだの、  もう見飽きた?」と
                       うろうろヒェロナの出口を見つけて

             ――僕を忘れて。


そしたら 別の話 櫛の歯越し
檻の中天(あめ)を見ては

じめじめ と 綴じ目           ねえ 寄る辺も無し 夜も遅し
締め 占め 綴るだけ?         祝(ほ)ぐものは既に失せて

これから 泣くのは止し その日の由 止処 歯止めなく
マグの波(は)に身を投じて        百々(どど)に繰り返して

努(ゆめ) 々 に 夢む          いつから 接(つ)ぐ枝(え)は無し? 学者殺し
答は然程に遠いのか?         歯車は空に吊らばこそ


せいぜい枝(し)を手折れ!
ああ 故なき居丈の竃馬(いとど)


ああ ライアー・モンティー!      うたた寝を 夢見鳥に変じた
気紛れの様相              僕もまた君に変わりなく
タイプライターに罪は無いのさ

一枚の 板きれを掴んだ        ねえ 「バベルの本は
僕はまた君を手にかけたのか     まだ居ないの?」と
                       昨日街で見た少女は問うてさ

さあ テーター・エルヴィン!       知らぬこと 知れぬことを解した
生真面目な動揺             僕の枝(し)はいつか君に満ち
開かない箱には鳴かない猫を

いつの間に 僕のことを貫いた    そう 「三十日の僕は
彼の死は僕をすこしだけ壊した。   僕であるか?」と
                       舵を壊したテセウスを通じて

             ――君を求めて。

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