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鼓を仰ぐオフェリア

また君と夢の中
        (ごめんね ごめんね)
        空はさ 落ちて果ての中

(ごめんね ごめんね)
僕らを指したそれはまだ
        (ごめんね ごめんね)
        かたちを持ちはしないまま

(それから それから?)


ああ まぶしいあさと のびてくかげと
どこにもつづくそらをみた

         あふれたほしと ながしたみずと
         いたむゆびにめをとじて


再もない僕が愛した   あのとき近づいたじべたはとても、
差異のない僕らの明日  綺麗であかるく輝いていて、
他意のない夢に見上げた 僕はそう思えただけで、そうだ、
僕らは何色?      なんとも嬉しく感じていたんだ。

それから僕らはどうしたんだっけ、 藍の綯い交ぜに落とした
太陽に晒したフイルムのように、  害のない君らの端
白く飛ぶ記憶が、遠い行方が、  「無い」のないことを解した
何もかも囁き歪んでいるんだ。  僕らがここにいるよ、それだけ。

 


まだ僕は水の中
         (ごめんね ごめんね)
         いつかの 浮いた嘘の中

(ごめんね ごめんね)
僕らの化したそれはまだ
         (ごめんね ごめんね)
         かたちを成しはしないまま

(それはさ それはさ)


ああ みえないよると おちるひかりと
だれもいらないうみをみた

         うかんだあわと ゆらぐみなもと
         いたむあしにふれないで

 


甲斐のない僕が見上げた あのとき届いた水底はいつも、
他愛もない君らの明日  涼やかで昏くまどろんでいて、
埃もない過去に果たした 僕はそう思えただけで、そうだ、
僕らは何色?      なんとも嬉しく感じていたんだ。

それから僕らはどうしたんだっけ、 猜のない君が満たした
水底でふやけた手紙のように、   櫂のない水で浸した
解けた思い出が、重い背骨が、   何もないことにしたんだ、
何もかも仄めき撓んでいる。    ページを溶かして。

 


卵を問うことにしたんだ  いつかの話を怪物は笑って、
端のない夜はいつしか   消えかけた手であちらを指して、
芯のない僕を散らして、  時間だよと背中を押したので、
それは空の色       幼(いとけな)くも寂しく思うけれど、

どうしても君は動けなくて、    「I」のない僕が愛した
また夜は去ると言い訳をこぼした。 彩のない君の日のした
ぱらぱら降らした歪を含んで、   「Χ」のないことを解した
ひとふた編んだ明日を拾ったんだ。 僕らはここにいるよ、

それだけ。
 

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