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常世角灯

ぱ ぱ ぱ 止(さ)した 自動巻きの世      今来(いまき)失せた
傾ぐ灯は何処 ああ               明々き 赤々き見せぬ夜は
僕の待つ永夜 御殿(みあらか)に         気も漫ろにしてぞろぞろ連なり
ただいらえを刺刺(いらいら)聞かせば

風巻(しま)き告げた               た た た 射した 竜頭巻きの撚(よ)
高々き 長々き褪せぬ都は            拉(ひし)ぐ秘を愛(め)づ子 ああ
意も斑(もどろ)にしてどろどろ晦(つごもり)      奥に恥づ飼屋 ひそやかに
                       たださらえを更更欠かせば

 

そうだ 操舵は凍り無く 僕ら幽(かそけ)き戯(たわ)けし苟且(こうしょ)なり
まだ Coda 滂沱に止め処無く 明日はただ 嚮導の始末たり

 

ああ miannoveta/lanofiravetta 灯は丹(あか)し  御天に戻した君はまだ
僕ら 浮かべた 科白(かはく)にそっと 縋るのみ  君はまだ駆け引きを知らぬよう

それが暇(いとま)に捧げた僕にただ        なら  miannoveta/lanofiravetta 日を落とし
僕にただ導きを競うようなら           僕ら 引提げた下膊(かはく)をそっと 高日に掲げて

座(どど)せば沈む夜の底


ぱ ぱ ぱ 点(さ)した 夜会巻きの選(よ)      文巻(ふまき)詰めた
削(きさ)ぐ緋と鼠子(ねずこ) ああ          浅々き 鮮々きせせる穂は
君の待つ新屋(にいや) 甕(たしらか)に       知も轟(とどろ)にしてどろどろ身籠り
ただ祓をはらはら落せば

機先伏せた                   た た た 鎖(さ)した 倭文手纏(しづたまき)の余
荒々し 粗々き見せぬ児(こ)は           捧ぐ燈と稚子(みずこ) ああ
史も恐ろにしてそろそろ水籠もり           頓(とみ)に立つ逮夜 委曲(つばら)かに
                        ただ堪えを空空(からから)躱せば

そうか 草花に撓(おお)り無く ここは拗(ねじ)けき寒けし廟所(びょうしょ)なり
また 怯懦(きょうだ) 柔懦(じゅうだ)は所在無く 過去はただ 凍土に瑣末たり

ああ miannoveta/lanofiravetta 否は可笑し     湿らに落とした意味はまだ
僕ら 咎めた 菲薄(ひはく)をそっと 弄(いら)うのみ   意味はまだ逢引を言わぬよう

そんな身空に倒れた凍みがまた           ああ miannoveta/lanofiravetta 秘を侵し
凍みがまた縄引きを張らぬようなら          僕ら 諌めた 曰くをそっと 下樋(したび)に流して

 

miannoveta/lanofiravetta 悲は退かし       幾許(ここら)を恐れた君はまだ
僕は 仕留めた 怡楽(いらく)をそっと 縢(かが)すのみ 君はまだ夜興(よこ)引きを保するよう

そしてまほらに見蕩れた僕はまた           さあ  miannoveta/lanofiravetta 氷は透し
僕はまた幕引きを知らぬようでさ            君は 埋めた 徂落(そらく)をそっと 舫いに預けて 

毀(こぼ)てば銜(くく)む腹の底

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